【1日目】


 ――平和。
 人里離れた農村。そこにポツンとたたずむ派出所。その中で一人の巡査があくびをした。
 村で唯一である小学校の通学路であるため、朝は賑わう派出所前だったが、昼間のこの時間、
この道を通る人はほとんどいない。よって仕事など、何もない。どうしてこんなところに派
出所があるのか、村の誰も知らない。と、いうよりも、誰も気に掛けない。そんな平和な村で
あった。
 近くには雑木林がある。夏休みには、小学生にとって絶好の虫取りスポットになる場所だ。
しかし、普通に授業がある平日ではひっそりとした、静かな林だ。
 ――昼寝でもするか。
 巡査はそう思い、背もたれに寄りかかる。なにしろ誰もここを通らないのだ。職務をサボっ
ても、咎める者もいない。この村では事件も一つもない。とにかく、仕事がない。
 そんな平和な日常を楽しんでいた、その時だった。

「お巡りさ〜ん」

 その声に、巡査はハッとした。慌てて入り口を見ると、そこには小さな女の子が立っていた。
 赤いランドセルを背負った、可愛い女の子だった。いや、本当に可愛い。一瞬、一瞬ではあ
ったが、巡査はその女の子のあどけない顔に、心を奪われた。くりんとした両目、さらさらの
黒髪、さらさらの白い肌。人間の男が、男という生物の本能として「可愛い」と考える、そん
な美の骨頂のような女の子。しかし巡査は慌ててその考えを撤回した。この子は小学生だぞ、
何を考えてるんだ、俺は……。
「どうしたのかな?」
 平静を取り戻した巡査は、女の子に尋ねる。
 すると女の子は、じっと巡査の目を見つめる。ドキン。巡査の胸が一度、大きく高鳴った。
どうかしているな、と彼は自己分析する。自分にロリコンの趣味はないというのに、どうした
ことだ。それほど、この女の子には美的魅力があるというのか。
 すると女の子は、無言のまますっと何かを差し出す。それを受け取って見てみると、それは
黒い革製の財布だった。
「これ、どうしたの?」
「拾ったの」
 そこで巡査はようやく思い出す。そうだ、ここは派出所だった。落とし物を預かり、持ち主
を捜す場所ではないか。
「そっか、拾ったんだ。えらいね、ありがとう、届けてくれて」
「うん!」
 女の子はそう言うと、ニッコリと笑う。
 巡査はその財布をよく調べた。かなり高級なもので、中身もだいぶ詰まっている。しかし、
免許証のようなものは入っておらず、商店のポイントカードなどからも持ち主を特定すること
はできなかった。
「お手柄だよ、お嬢ちゃん。これ落とした人、きっと困ってるよ」
「見つかるかなぁ?」
「大丈夫、すぐ見つかるよ」
 そう言って巡査は女の子に微笑みかける。女の子も微笑み返す。
「じゃあ、お嬢ちゃん、お名前教えてくれるかな?」
「原田奈央(はらだ なお)、9歳」
 巡査は書類に必要事項を記入しながら、ふと疑問に思ったことを尋ねた。
「ところで、奈央ちゃん。どうしてここにいるの? 学校は?」
 そうなのだ。本来この派出所は、平日の昼間であれば滅多に人が訪れない、いわば辺境の地
にできた派出所。そこに、どうして授業中のはずの小学生がやってきたのか。
「う〜んとね、今日はお母さんの用事で遅れて学校にいくの。その途中におさいふが落ちてた
から」
「そうかそうか」
 納得した巡査は、再び書類を書く作業に戻る。と、そのとき。
「お巡りさん」
「ん?」
「ねぇ、ちょっとこっち来て」
 奈央にそう言われ、巡査は書きかけの書類を途中に、立ち上がって奈央の方に近寄る。
「どうしたの?」
「なんかここにくっついてるみたいなの」
 そう言うと奈央は、自分が履いているミニスカートのひだの部分を指さした。巡査はそこを
じっと見るが、特に何かがついているようには見えない。
「何もくっついてないみたいだけど?」
「もっとよく見て!」
 奈央はそう言って、自分の尻をぷりっと突き出した。9歳の女の子にしてみれば、形がよく、
大きな尻だった。尻を突き出したことによって、スカートの端から白いパンツがチラリと見
えた。巡査の頬が思わず緩む。
 しかし、彼がさらによく見ても、スカートには何かがついている様子はない。
「やっぱり何もないよ」
「絶対なんかくっついてるよ〜。もっと近づいてよく見て!」
 奈央にそう言われ、巡査は突き出された尻に、さらに顔を近づけた。
 と、その瞬間――

  ぶむう〜〜ぅっ!!

 何が起こったか、巡査には分からなかった。
 分かったことは、超絶美少女の小学生と周りに誰もいない村の派出所で話していたという、
たいそう平和な状況とは全く似合わない、野太く、重低音の音が目の前から響いたこと、それ
と同時に、むわあぁっとした生暖かい風が顔面に吹きかけられたこと、そして……、鼻をつく、
強烈な腐卵臭だけ――
ふぐえっ!?く、くっさあああああ…あ……
 意識が遠のく。
 バタリ
 その場に崩れ落ちる巡査。不意に食らった“謎の臭い”は、彼の気を失わせるほど臭かった
のだ。
「ふぅ……」
 目の前で男が一人倒れたというのに、何ということはない表情をする奈央。それもそのはず
である。“謎の臭い”の正体は、この女の子の、この女の子の……
 パンパン、と自分の尻を手で叩き、そこについた臭いを振り払うと、奈央は床に突っ伏して
倒れている巡査を見下ろし、にっこりと笑った。それはさきほどまでのあどけない笑みとはま
た異なる、いたずらっ子特有の微笑みだった。
「カモつかまえた〜っと♪」



「う……うう…ん………」
 巡査は目を覚ます。ゴツゴツとした地面。周りは薄暗い。そして鼻に残る、独特の自然の植
物のにおい。ここは、どこだ……?
「あ、お巡りさん、おはよう♪」
 その声に、彼はハッとしてそこに立っている女の子を見た。他でもない、先ほどまで派出所
にいた美少女、奈央である。そうだ、俺はさっきまで派出所にいたはず。
 しかも、彼は自分の手足が縄で固く縛られていることに気がついた。両手は後ろでで完全に
固定され、身動きが全くとれない。拘束されている。これは、いったい……?
「奈央ちゃん、ここは、どこ?」
 動揺した精神を落ち着かせ、巡査は尋ねる。
「ここは奈央の秘密基地なの〜」
 秘密基地。その言葉と鼻に残る緑のにおい。それを統合して、彼は結論を出した。ここは派
出所近くの雑木林だ。あの雑木林は、よく小学生が秘密基地を作って遊んでいる。たしか小さ
な洞窟もあっただろう。どうやらここは、その洞窟の内部らしい。
「いったい、なんだって言うんだ。そ、そうだ、俺はたしか派出所で急に気が遠くなって……。
奈央ちゃん、大丈夫? 怪我はない? 悪い人に、ここに連れてこられたんじゃ……」
 そう考えたが、何かがおかしい、ということに、巡査は気づき始めていた。
 自分自身は縄で縛られているが、隣に立つ奈央にはまったくそんな様子はない。まして、彼
女はニコニコ笑いながら自分の秘密基地を自慢している。彼女を下から見上げる形になってい
るので、ミニスカートの中身が丸見えだが、彼にはそんなことを気にする余裕はなかった。
 ――なにか、おかしい。
「お巡りさん、奈央と遊ぼ!」
 奈央は無邪気な笑顔でそんなことを言っている。
 どういうことだ?
 これは、いったい?

 すると奈央は「ちょっと待っててね」と言い残すと、洞窟の奥の方へと消えていった。かと
思うと、何やら、重いずた袋のようなものをせっせと引きずってくる。
 ……いや、違う。
 それは、ずた袋などではなかった。それは、――男。
 着ているものは泥にまみれ、ボロボロに破れている。頬はやせこけ、肌を見ると彼にはまる
で肉というものがないようで……、まさに「骨と皮だけ」という表現がふさわしいような、や
せ細った男だった。その男を、奈央は「よいしょ、よいしょ」と言いながら、ズルズルと引き
ずっているのだ。とても信じられない光景。
 そして、巡査はその男に見覚えがあることに気がついた。そうだ、確かあの顔、すっかり死
んでいるような顔だが、何処かで見たことがある。
 そうだ、あの男、いや、あの少年は、隣町で「家出」として捜索願が出ていた高校生だ。間
違いない。この村の派出所にも、その資料が回ってきた。そこに貼ってあった少年に間違いな
い。あれは、そう、二週間ほど前だった。その家出少年が、何故こんなところに、こんなふう
になって……。
 初め、巡査はその少年が死んでいるものと思った。しかし、よく見てみると、そのまぶたが
微かに振動している。生きている。生きているのだ。
「な、奈央ちゃん……? その人、い、いったい……」
 巡査は、目の前にいる奈央という女の子が分からなくなっていた。いったい、何なんだ。ま
だ現実が見えていない。見えないのだ。
 しかし、巡査はすぐに“現実”というものをその両眼へと刻みつけられることになる――
「イヒヒぃ♪」
 奈央は子供ながらの意地悪そうな笑い声をあげると、少年を引きずるのをやめた。ピクリ、
ピクリと僅かに震えながら、床に仰向けになる少年。奈央はその少年を上から見下ろす。
「今日も遊ぼうね♪ ……お巡りさんも、見ててね、いひひっ」
 すると、奈央は少年の顔を跨ぐように立つと、履いていたスカートをまくり上げ、なんとそ
のまま少年の顔に腰を下ろしてしまった。ドシンッ! その音は洞窟にこだました。先
ほども思ったことだが、彼女の尻はなかなか大きかった。身長や体格はごく普通の9歳なのだ
が、体の中でもポコンと膨らんだ尻は特別だった。大きいのだ。その尻は、少年の顔をピッタ
リと包み込んでしまった。
「え、え……?」
 動揺する俺に、奈央はもはや注意を払っていないようだった。自分の尻の下にある、家出少
年の顔を見下ろしながらにんまりと微笑んでいる。
「いくよ〜♪」
 次の瞬間――


  ぷしゅっ


 耳を澄まさなければ聞こえないような、ごく小さな空気が抜ける音だった。初めはそれが何
か分からなかったほどだ。しかし、その音が、少年の顔に座っている奈央の方から聞こえた、
その直後、
うっぎゃあああああああああああああッッ!!!!
 吠えた。
 少年が。
 あの、半分以上「死んでいた」ようなものだった少年が。
 どこにこれほどの叫びをあげる気力が残っていたのか、不思議なほどだった。
 さらに、
ンムッ!? く、くっせええェェェェッ!!!」  
巡査の鼻にも、確かにその臭いが届いた。思わず叫びをあげたくなる、その臭い。バキュ^
ムカーの直ぐ傍はいつもこんな臭いが立ちこめているというような臭いだった。
 ――だが、なんだ?
 鼻を押さえようにも手は縛られ、四苦八苦しながら巡査は考えた。なんだ、これは。まさか、
いや、まさか、そんな……
 彼は頭に浮かんだある一つの考えを無理矢理もみ消した。そんなはずはないのだ。そんなは
ずは。
「いひひひひぃっ!」
 巡査と少年が悲痛な叫びをあげるなか、洞窟に響く異種の声は、奈央の笑い声だった。楽し
そうに、いかにも楽しそうに笑っている。
「どうしたのぉ? まだほんのちょびっっっと出しただけじゃん! まだまだ遊ぼうよ♪」

  ぶすびいいぃぃぃッ!!!

 今度響いた音は、先ほどよりも確信的なものだった。その音の直後、少年は先ほどよりも声
を張り上げて叫び、泣いていた。
おげえええええええええええええッッ!!!!
 そして、巡査のもとまで漂ってくる臭いも、先ほどの比ではなかった。
ンムッ……、う、ウオ…エエ………
 喉の奥から溢れ来る嗚咽。これは、“バキュームカーの傍を通った”どころの臭いではない。
例えるなら、そう、バキュームカーのタンクの中に閉じこめられたような、そんな臭い……
 それによって、巡査は知ってしまった。分かりたくなかったし、こんなものが現実だなんて思いたくもなかった。
 だが、認めざるを得なかったのだ。
 この臭いが、奈央という世にも美しい女子小学生のおならだということを。
 こんなに臭いおならがあって良いものか。彼はそう思った。だが、現実に“ある”のだ。い
ま、ここに。少し離れた自分のところでさえ、これほどの臭い。それを直接顔に受けている少
年の苦痛は……、想像を絶する。
「臭い?」
 奈央は尻の下の少年に尋ねる。しかし、少年はそれを聞く余裕など残っていないとでも言う
ように喘ぎ、叫び続ける。
「じゃもっと臭くしちゃおぅ♪」

  ぶっす〜〜うう〜〜〜ぅ〜〜ううううッッ!!!!

 長い、ビブラートがかかったような放屁が、三発目。
うごげええああああああああああああッッ!!!!
ぐっざ…あ…あ゙あ゙あ゙あ゙………ッ
「いひっ♪ 超臭そうなのでちゃったぁ〜♪」
 と、そのとき。
 ビクンッ
 少年の下半身が、大きく揺れた。かと思うと、バタンッ、バタンッ、バタンッ!!と、
陸に揚げられた魚のようにはね回る。顔は奈央の尻に潰されているので動かせない。その両
足をバタバタと、見るからに異常に動かしていた。壊れてしまったのだ。運動神経が。彼の運
動神経が壊れてしまった。
「お魚さんみた〜い♪」
 その、誰が見ても恐怖するような人間の異常行動を目の当たりにしても、奈央は笑みを絶や
す様子はなかった。まさに、天使のよう、と形容するにふさわしい笑みを。
おげッ!! おごッ!! うがッ!!!
 バタンッ、ドタンッ、バタンッ!!
 暴れ回る少年。もう、彼の体は限界だった……
「いひひひぃ……っ」
 最後に、奈央は誰もが愛でたくなるような笑い声を漏らして、無慈悲な掛け声をかけた……

「えいっ♪」 


  ぼぶすう〜〜うぅッッ!!!


 その一撃に、少年の体は暴れ回っていたその姿勢のまま、ピタリと静止した。凍り付いてし
まったかのように。
 数秒間、その奇妙な硬直を保っていた少年だったが、ゆっくりと足が下ろされる。そしてそ
れが地面に下ろされてから、彼はもう二度と動くことはなかった。
「壊れちゃったぁ〜」
 そう言いながら、奈央は立ち上がった。尻をパンパンとはたく。その尻に敷かれていた少年
の顔の無惨さは……、とても語ることができない。
「ア、アガ、アガガ………」
 巡査はまるで顎が外れてしまったように、意味のない言葉を繰り返すことしかできずにいた。
ゆっくりと彼の方に近づいてくる奈央に、何の抵抗もできなかった。
「あの高校生のおにいさんはね、隣の町から家出してきたんだって。この村に来たときに奈央
と会って、それからずーっと遊んでたの♪」
「エ、アギ、アギ………」
「でも、ずっと大事にして遊んでたのに、壊れちゃった。仕方ないよね。“おもちゃ”はいつ
か壊れるものだって、せんせいも言ってたもん」
「な、なんで――」
「え?」
「…な、なんで、こんな…こと……を………」
「だって、子供は“遊ぶ”ことが仕事でしょ?」
「え、あ…アグ………」
「それに、人の嫌がることは進んでやりなさいって言われてるし♪」
「ひ、ひぃ、ひぃぃ………ッ」
「だから――、ね♪」
 巡査の直ぐ傍までやってきた奈央は、スカートをバサアッとまくり上げた。露わになる、大
きな大きな尻。近くで見ると、その大きさはいっそうはっきりと確認できた。大人の女性に匹
敵するように、その部分だけ発育した尻。履いているのは、白い子供用のパンツだが、そのサ
イズはどう考えても合っておらず、ムニムニムチムチとした赤ん坊の頬のような尻肉に食い込
んでいる。
「ひッ、くッ、来るなああーッッ!!
「なんでぇ? 一緒に遊ぼうよぅ♪」

 むぎゅう〜ううっ!

 ついに、奈央のヒップが巡査の顔に下ろされた。9歳の尻が顔の上にある。それだけなのに、
信じられないほどの迫力、威圧感。そして、そこに染みついた、酷い残り香。
むぎぎぎぎぎッ!!!
「奈央のおしり、臭い〜?」
むがッ!!! むがッ!!!!
「……でも、まだまだこんなもんじゃないんだよぉ〜♪」

  びびぶっびっびいいいいいッッ!!!!

 耳を塞ぎたくなるような、下品な発射音。
うがあああああああッッッ!!!!!
「キャハッ! いきなり汚い音が出ちゃったごめんねぇ〜、お巡りさん♪」
 濃い、濃い、濃すぎる硫黄臭。
 目の前が真っ黄色になるような錯覚。
 体中の全ての細胞がその臭いに染まってしまうような感覚に陥りながら、巡査の意識が薄れ
ていく……。
「え? あれぇ〜? もう気絶しちゃったの?」
「………」
 巡査は動かない。
 仕方ないなぁ、というように奈央は尻をあげた。そこから出てきたのは、白目を剥いて、荒
い呼吸をしている巡査であった。
「う〜ん、でもこれからちょっとずつ慣れさせて、長い間奈央のおならで遊んでいられるよう
にしてあげるからね♪」
 そう言い残すと、奈央は意識のない巡査に屈託のない笑顔を振りまくと、もう“壊れてしま
った”家出少年の後始末を始めた――



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